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ミクロの世界ではあいまいさを0にできない


本題に入る前に、まずはこんな質問をしてみたいと思います。

1.「光」は「粒子」ですか?それとも「波」ですか?
2.「電子」は「粒子」ですか?それとも「波」ですか?

普通の知識で答えれば1.は「波」、2.は「粒子」だと思います。
ということは、そうじゃないんだと思われましたよね。
その通りです。


1.の答えはアインシュタインがこのように出しています。
「光はエネルギーを持つ粒子の集まりである」
最初の質問の答えとしては、「波」であり「粒子」であるということです。

2.の答えはド・ブロイという物理学者が出しました。
「電子はなぜ原子核の周囲を回っていられるのか?」という問題に対する
答えを求めていったら「電子は波の性質を持っている」となったそうです。
つまり最初の質問の答えは「粒子」であり「波」であるということです。

電子だけじゃなく「あらゆる粒子が波の性質を持っている」と結論付けられ
ています。ということは、私たち自身も含むすべての物質が波の性質を
持っている、ということです。



さて、ここからが本題です。

高校物理では「ある時点で物体の位置と速度が分かれば、その後の位置
と速度も求められる」と習うと思います。

「そうじゃないの?」と思われた方のために言っておきます。
私たちが普通に目で見ている物体であれば、間違いではありません。
でもミクロの世界の粒子を見た場合には全然違ってくるんです。

ミクロの世界で粒子の位置と速度を測定しようとするとこうなってしまいます。
・位置を高い精度で測ろうとすると速度がわからなくなる
・速度を精密に測ろうとすると位置がボヤけてしまう

ハイゼンベルクという物理学者がこのことをこんな式で表しています。
(位置のあいまいさの幅)×(運動量のあいまいさの幅)>プランク定数
つまり「ミクロの世界ではあいまいさを0にできない」ということです。

この記事では分かりやすい言葉でお伝えしようとしているので、これ以上の
説明はやめておきます。この内容は「不確定性原理」のほんのさわりの部分
にあたります。



前半と後半の内容のつながりを説明しきれませんでした。
「不確定性原理」を理解しようとしたら「すべての物質が波の性質を持つ」こと
の理解が不可欠というつながりがあるんです。

さらに言えば「素粒子」を理解しようとしたら「不確定性原理」の理解が不可欠
なんです。あんまり言うと物理嫌いの人が増えちゃいそうですね。



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今回もこの本の内容を参考にしています。
 宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)





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素粒子の標準模型

今回は「素粒子の標準模型」について書いてみようと思います。

このキーワードでネット検索してみると丁寧に説明しているサイトが
見つかります。でも、難しすぎて全然理解できないと思われる方が
多いと思います。

そういった方の為に、ものすごくざっくりとした説明をしてみようと思い
ます。ざっくりとした説明がお嫌いな方は、読み進まないでください。



素粒子の標準模型をざっくりと書くとこうなります。

   クォーク各種   : ボ
・・・・・・・・・・・・・・・   : ソ
レ  ニュートリノ各種   : ン
プ             : 各
ト   電子、他    : 種
ン             :


物質が原子からできていることはご存知ですね。
その原子は原子核と電子でできていることもご存知ですね。
さらに原子核は陽子と中性子からできていることもご存知ですね。
(水素原子はのぞきます。)

素粒子の標準模型に関しては現在のところ完成されたものと言われて
います。そして陽子や中性子はクォークからできていると説明されてい
ます。

つまり物質はクォークと電子からできていると言えます。

ニュートリノに関しては前回の記事で書いたように宇宙を飛び回ってい
る素粒子です。

ボソンというのは力を伝える素粒子と言われています。



専門家の方ならば、もっともっと説明を加えずにはいられないはずです。
でも一般の方には、この先の説明はされればされるほど分からなくなる
と思います。

なので、追加の説明はやめておこうと思います。
次からは、素粒子を理解するために必要な見方・考え方の部分を説明
してみようかな?と思っています。

恐らく初めて聞く見方・考え方がでてくると思います。
(ちょっとハードルを上げてしまったかもしれませんね...)



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エネルギー保存の法則から予言されたニュートリノ


素粒子について書かれた本にしても、ネットで見つかる記事にしてもその内
容を理解できるのは、物理学をある程度勉強した人だけだろうと思います。

私はなんとか概略だけでも、もっと多くの人に伝えることができないだろうか、
と思いながらこの記事を書いています。だから今回から書いていく内容は、
厳密に言うと説明不足な点があるかもしれません。

その方がかえって一般の方には理解しやすいと思われる場合に、そうしてい
ることをあらかじめご了承ください。



最初に選んだ素粒子は「ニュートリノ」です。選んだ理由はこの本
 宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
で最初に登場する素粒子だからです。

素粒子物理学の世界では、従来の理論で説明のつかない現象があると、
「こういうものがあれば理論的につじつまが合う」という考えから仮説をたて、
その仮説に見合うものをみんなが探し始めるということがしばしばあります。


「エネルギー保存の法則」という名前には聞き覚えがあると思います。
その内容は、すべての物理現象はその前後でエネルギーの総量が増えたり
減ったりしない、ということです。

ところが、中性子の「ベータ崩壊」という現象では、エネルギーの総量が減って
しまうと観測されたんですね。

ベータ崩壊というのは、原子核の中にある中性子が電子を放出して陽子に変
わる現象のことです。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一例として「炭素年代測定法」で測定対象とされる炭素の同位元素である
炭素14でのベータ崩壊を挙げます。炭素14は6個の陽子と8個の中性子を
持っています。この状態は安定な状態ではなくて、ある一定の割合で中性子
の1つがベータ崩壊を起こし、原子量7の窒素に変わってしまいます。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ベータ崩壊の前の中性子が持っていたエネルギーと、崩壊の後の陽子と
飛び出した電子が持っているエネルギーを比べると、崩壊後のエネルギー
の方が小さいということです。

そこでスイスの物理学者パウリは、ベータ崩壊の際に電子だけではなく、
電荷を持たない謎の粒子がいっしょに飛び出しているはずだと考えたそう
なんです。

そうして探し始めた結果、1950年代に実験室で彼の予言した粒子
(ニュートリノ)の存在が確認されたそうです。

ニュートリノという名前は2002年に小柴昌俊さんがノーベル物理学賞を
受賞した時に聞き覚えがあると思います。宇宙から飛んできた(自然発生の)
ニュートリノを世界で初めて捕まえたという功績に対するものですね。


これも本に書かれている情報なんですが、ニュートリノは質量が極めて小さ
いにもかかわらず、宇宙に存在するニュートリノをすべて集めると、宇宙にあ
るすべての星とほぼ同じ質量になるんだそうです。この情報は初耳ですよね。






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